織部釉は緑色の発色のことを言われることが多いと思います。
いわゆる総織部釉だと器全体が緑色になっているものです。

これは灰釉に銅を添加して発色させるのが一般的です。
焼成条件は酸化焼成。一旦還元焼成を経て酸化焼成へ戻すと深みのある緑色が発色されるとされています。

釉薬調合例としては
・天然灰       40~60%      
・陶石もしくは長石  60~40%  
・銅外割7~8%

以上の調合が一般的。単純な調合で素材を吟味した方が深みがある気がします。

このなかで銅添加の原材料について調べたことについて
記していきたいと思います。

釉の原材料としての銅として
・酸化銅
・銅へげ
・炭酸銅
以上の3種類が主な種類。

化学式としては(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

酸化銅(さんかどう、Copper oxide、カッパーオキサイド)は、銅の酸化物である。
組成の違いにより、酸化銅(I)Cu2Oと酸化銅(II)CuO がある。

・酸化銅(I)Cu2O
 化学式 Cu2O で表される銅の酸化物で、赤色ないし赤褐色の結晶または結晶性粉末。
 融点は1232 °Cで、1800 °Cで分解して酸素を失う。
 乾燥空気中で安定であるが湿った空気中では徐々に酸化され酸化銅(II)に変わる。
 天然では赤銅鉱として産出する。赤銅鉱は宝石にも利用される鉱物である。
                                 


 

・酸化銅(II)CuO
 化学式 CuO で表される銅の酸化物で、黒色の粉末。
 水素または一酸化炭素気流中で250 °Cに加熱すると容易に金属銅に還元される。
 天然では黒銅鉱として産出する。
 
 釉薬の着色剤として利用される。
 酸化焼成では青色-緑色に、還元焼成では赤色に発色する。
 



還元焼成で現れる赤色はかつては釉薬中の酸化銅(II)が金属銅に還元されて発色したものと考えられたが、今日では酸化銅(II)が酸化銅(I)に還元されて赤く発色すると考えられている。


現在よく使われている酸化銅は、この酸化銅(Ⅱ)のことが多い。

次回炭酸銅、緑青について予定。